言うまでもなく、溢れる情報の中をかき分けて生活する現代ですが、情報の洪水に溺れず必要な情報を見つけるには、検索が必要不可欠なものになっていますね。
おそらくウェブサイトではGoogleとWordPressの検索機能が一般的だとは思いますが、ワードやらPDFやらテキストが身の回りに氾濫している昨今、手元のPCの中やイントラ、ファイルサーバ、特定ドメイン内こそ、検索が必要だったりします。そのようなGoogleの助けを得られない(得られるけどもしたいとは思わない・・・)環境によっては、独自で全文検索エンジンを動かす必要があったりします。
2年以上前に、オープンソースの検索エンジンBEST3を書いていましたが、この2年ほどのあいだに、オープンソースの検索エンジン「Fess」(http://fess.codelibs.org/ja/)の導入について手がける機会が何度かあり、やはり検索の需要は増えている気がしますので、開発元サイトとは別の視線でちょっとここに書いておきます。
開発元サイトも非常に分かりやすいですので、正統派(?)はそちらをじっくり参考にされるとよいでしょう。。。ここではできるだけ文字を読みたくない!というセッカチな人向けです。
(注)これはバージョン9.2における内容です。
Fessは、デスクトップにもファイルサーバーにもウェブサイトにもネットにも使えます。
Fessの導入は、本当にカンタンです。検索エンジン導入の敷居を一気に下げてくれたと思います。
多少のサーバー知識がありサーバー構築が出来る人なら、うたい文句にある通り、本当に5分で導入可能です。慣れれば3分だって夢ではない!
ワードプレスを自分でインストールして使える人ならば、きっと15分で可能でしょう。
Fess開発者のセンスには脱帽します!感謝感謝ひたすら感謝です。もし会う機会があれば、もう是非ごちそうしたいですね!
では早速。
- まずは、
使用するPCまたはサーバーに、JAVAを入れておきます。
Fess自体、ApacheのTomcatでサーバーとなるので、JAVAが必要です。
オラクルからJDKをダウンロード&インストールしておきます。
また、コマンドを使うので、Windowsでは環境変数でパスを通しておきます。 - sourceforgeより、最新安定版を下記からダウンロードしましょう。
http://sourceforge.jp/projects/fess/releases/
WindowsやMacOSで使用する場合はzip版をダウンロードします。
Linuxならrpm版もOKです。 - インストールします。といっても、解凍するだけです。
解凍したら、フォルダ名はここではとりあえず/fess/としておきます。 - fessの中のbinフォルダにて、ウィンドウズならstartup.batをダブルクリック、Linuxなら/bin/startup.shを実行。
コマンドが実行されて、数秒まって最後に「Server startup in (起動時間) ms」と表示されれば完了です。 - 起動を確認します。
ブラウザーで「http://localhost:8080/fess/」にアクセスすれば、検索画面が表示されるはずです。
はい完了!カンタン!!!
終了は、shutdown.batまたはshutdown.shです。
管理画面へは、「http://localhost:8080/fess/admin/」にログイン。初期アカウントはadmin/admin。
セキュリティを考慮するなら、すぐにパスワードは変更しておきましょう。
管理用パスワードの変更個所は、「conf/tomcat-user.xml」の
<user username=”admin” password=”admin” roles=”fess”/>という部分。
Solrサーバーパスワードの変更箇所は、
同じく「conf/tomcat-user.xml」の、
<user username=”solradmin” password=”solradmin” roles=”solr”/>と、
「webapps/fess/WEB-INF/classes/solrlib.dicon」の、
<component class=”org.apache.commons.httpclient.UsernamePasswordCredentials”>
<arg>”solradmin”</arg> <!– ユーザー名 –>
<arg>”solradmin”</arg> <!– パスワード –>
</component>
の部分と、
「webapps/fess/WEB-INF/classes/fess_suggest.dicon」の、
<component name=”suggestCredentials” class=”org.apache.http.auth.UsernamePasswordCredentials”>
<arg>”solradmin”</arg> <!– ユーザー名 –>
<arg>”solradmin”</arg> <!– パスワード –>
</component>
の部分と、
「solr/core1/conf/solrconfig.xml」の、
<solrServer class=”org.codelibs.solr.lib.server.SolrLibHttpSolrServer”>
<arg>http://localhost:8080/solr/core1-suggest</arg>
<credentials>
<username>solradmin</username> <!– ユーザー名 –>
<password>solradmin</password> <!– パスワード –>
</credentials>
の部分です。運用前にこれらはちゃんと変更しておきましょう。
Fessの設定については、またの機会にします。直面した課題も含めて。
いや本当は、開発元サイトを参照すれば十分だとは思います。。。
以上で、
一昔前なら、数百万円かかった検索エンジン導入が、ちょっと知識があればタダで出来てしまう、という進歩万歳なお話でした。パチパチパチ!